90年代のファッションを象徴するアイテムとして、今再び注目を集めているのがリーバイスのシルバータブです。ルーズでバギーなシルエットは、当時のストリートカルチャーを色濃く反映し、多くの若者を魅了しました。
この記事では、リーバイスのシルバータブとは何か、その特徴やレッドタブ、オレンジタブとの違い、代表的な種類を解説します。
リーバイスのシルバータブとは?
シルバータブは、リーバイスが1980年代後半に、当時の若者文化をターゲットとしてスタートさせたジーンズラインです。クラシックなモデルとは異なる、ゆったりとしたシルエットが特徴で、これまでのリーバイスのイメージを一新しました。
特に90年代に入ると、スケーターやヒップホップアーティストの間で人気が爆発。彼らのファッションアイコンとして定着し、時代を象徴するアイテムとなりました。この独自のスタイルとフィット感が、多くのファンを惹きつけました。
シルバータブが今も人気の理由は?
シルバータブの最大の魅力は、バックポケットに縫い付けられた銀色のタブです。クラシックなレッドタブとは一線を画す独自の存在感は、若者向けのカジュアルなラインであることを視覚的に示し、ストリートファッションのアイコンとなりました。
さらに、バックポケットのアーキュエイトステッチ(弓型のステッチ)も、他のモデルとは異なる独自のカーブを描いており、細部にまでこだわりが詰まっています。リベットやボタンにもシルバータブの刻印が施されているモデルが多く、細かな部分からも特別感が伝わり、これらのディテールが、リーバイスの中でもシルバータブを唯一無二の存在にしています。
赤耳やオレンジタブとの違い
シルバータブは、リーバイスの他のラインとは異なる独自の魅力を持っています。
レッドタブ(赤耳)との比較
リーバイスのジーンズといえば、バックポケットの「レッドタブ」が有名です。ヴィンテージデニムに見られる生地の端部分の赤いステッチ、通称「赤耳」を持つモデルは、ストレートでレギュラーなフィット感を持つものが多く、クラシックな着こなしを好む層に支持されてきました。レッドタブが伝統と品質を象徴するのに対し、シルバータブは若者向けに特化した革新的なスタイルでした。素材にも違いがあり、赤耳モデルは高品質なセルビッジデニムが使われていることが多い一方、シルバータブはよりカジュアルで穿きやすい素材が採用されているのが特徴です。
オレンジタブとの比較
オレンジタブは、1960年代後半から70年代にかけて登場した、ファッション性を重視したラインです。レッドタブとは異なり、より革新的なデザインやステッチが特徴で、細身のシルエットも多く見られました。当時のヒッピー文化や若者の自由な精神を反映した存在です。シルバータブは、このオレンジタブが持つファッション性を引き継ぎつつ、さらにルーズなシルエットで独自の道を歩みました。オレンジタブが多様なシルエットを提案したのに対し、シルバータブは90年代のトレンドであるバギーなシルエットをメインに据え、一時代を築き上げたのです。
シルバータブの代表的な種類とアイテム
シルバータブには、その時代のストリートスタイルを反映した様々なモデルがあります。
主要なモデルの種類
特に人気が高く、復刻版も多い代表的なモデルには「BAGGY」「LOOSE」「STRAIGHT」があります。BAGGYはその名の通り極太のシルエットが特徴で、スケートやヒップホップカルチャーに人気でした。腰回りにゆとりがあり、裾にかけてもほぼテーパードのないデザインは、当時のストリートファッションに不可欠な存在でした。LOOSEはBAGGYより控えめながらもゆったりとしたフィット感で、幅広いコーディネートに合わせやすいのが魅力です。
ジーンズ以外のアイテム
シルバータブはジーンズだけでなく、ジャケットやシャツ、Tシャツなども展開していました。これらのアパレルもゆったりとしたシルエットやユニークなデザインが特徴で、ジーンズと合わせてコーディネートすることで、90年代のストリートスタイルを全身で楽しむことができました。特にデニムジャケットやカバーオールは、ジーンズと同様にルーズなフィット感で、セットアップで着用するスタイルも人気でした。
さらに、Tシャツやスウェットにはシルバータブのロゴが大胆にデザインされており、当時のファッションを象徴するアイテムとして現在も高い人気を誇っています。
オリジナルと復刻版の見分け方
シルバータブのオリジナル版と復刻版を見分けるには、いくつかのポイントがあります。
タグやディテールを確認する
ウエストの紙パッチや内側のタグを注意深く見ると、生産時期によるロゴやフォント、表記情報の違いがわかることがあります。オリジナル版は生産時期が古いため、タグが劣化していることが多いでしょう。また、タブの裏側に記載されている情報や、ボタンの刻印、リベットのデザインなど、細部まで比較することで見分けられる場合もあります。ヴィンテージデニムに詳しい専門家に相談してみるのも良いでしょう。
サイズ感や生地感を比較する
オリジナルと復刻版では、同じモデル名でもサイズ感や生地の質感が微妙に異なることがあります。これは、生産された工場や年代、使用された素材の違いによるものです。オリジナル版は長年履き込まれて生地が柔らかくなっていることが多い一方、復刻版はパリッとした硬い生地感のものが多く、シルエットも現代的に微調整されている場合があります。この違いも、アイテムを選ぶ際の楽しみの一つです。
まとめ
リーバイスのシルバータブとは、90年代のストリートカルチャーを象徴するジーンズのラインです。ゆったりとしたシルエットと、バックポケットの銀色のタブが特徴で、赤耳やオレンジタブとは異なる独自の歴史を持ちます。ヴィンテージファッションやストリートファッションを愛する人にとって、欠かせない存在と言えます。
ぜひ、自分にぴったりの一本を探してみてはいかがでしょうか。